「リノベーション賃貸って本当にお得なの?」
「新築より安いけど、住み心地は大丈夫?」
「おしゃれだけど、古い建物って安全なの?」
そんな疑問を持つ方も多いのではないでしょうか。
リノベーション賃貸は新築に近い快適さを低コストで実現できる注目の選択肢です。
一方で、見た目だけで判断すると後悔するケースもあります。
そこで本記事では、リノベーション賃貸の特徴やメリット、デメリットをわかりやすく解説します。
また、リノベーション賃貸はやめたほうがいいと言われる理由や選び方のコツ、向いている人の特徴についても紹介するため、ぜひ最後までご覧ください。
目次
リノベーション賃貸とは?

リノベーション賃貸とは、築年数が経過した物件の内装や設備を大幅に改修し、新しく生まれ変わらせた賃貸住宅のことです。
建物の構造躯体はそのまま活かしながら、室内の間取りや設備を現代のライフスタイルに合わせて刷新しています。
たとえば、築30年のマンションでも、フルリノベーションによって新築同様の快適さを実現した賃貸物件が増えています。
リノベーション賃貸は、デザイン性とコストパフォーマンスを両立させた、新しい賃貸住宅の選択肢として人気を集めています。
リノベーション賃貸の魅力やメリット

リノベーション賃貸には、新築物件にはない独自の魅力が数多くあります。
1.デザイン性が高くておしゃれ
2.新築に比べて家賃が割安
3.立地条件が良くて選択肢が豊富
ここからは、幅広い世代から支持を集めている理由でもある、リノベーション物件の魅力について詳しく見ていきましょう。
1.デザイン性が高くておしゃれ
リノベーション賃貸の最大の魅力は、一般的な賃貸物件とは一線を画すデザイン性の高さです。
無垢材のフローリングや間接照明、開放感のある吹き抜けなど、こだわりの空間設計が施されている物件が多く見られます。
また、カフェ風や北欧風といったテーマ性のある内装は、とくに若年層やカップル層から高い人気を集めています。
国土交通省の調査でも、賃貸物件を契約した理由として27.2%の人が「住宅のデザイン・広さ・設備等が良かったから」を挙げていることが報告されています。
一般的な賃貸では実現できない、自分らしさを表現できる住空間を手に入れられるのが大きな魅力です。
2.新築に比べて家賃が割安
リノベーション賃貸は、新築物件と比較して家賃が2割から3割程度安く設定されている傾向があります。
内装は新築同等の品質でありながら、建物の築年数により賃料が抑えられているケースが多いためです。
たとえば、新築なら月10万円の物件でも、リノベーション賃貸なら月7万円台で入居できることもあり、年間で約30万円以上の節約につながります。
初期費用も比較的抑えやすく、敷金・礼金の設定も新築より柔軟な場合が多いのが特徴です。
同じ予算でワンランク上の設備や広さを選べるため、コストを抑えながら快適な住環境を手に入れたい方にとって、非常に魅力的な選択肢となっています。
3.立地条件が良くて選択肢が豊富
リノベーション賃貸は築年数の経った物件を活用しているため、都心部や駅近といった好立地に数多く存在しています。
通勤時間の短縮や生活利便性を重視する方にとって、立地の良さは大きなメリットです。
たとえば、渋谷駅徒歩5分といった一等地で新築の賃貸物件はなかなか市場に出てきませんが、リノベーション物件なら選択肢に入れることができます。
比較的手の届く家賃で住むことができるうえに、同一エリアで物件の選択肢が格段に広がるため、スムーズに物件の契約まで進めたい方におすすめです。
住みたいエリアを諦めずに理想の住まいを見つけられる可能性があります。
 
					リノベーション賃貸の注意点やデメリット

リノベーション賃貸には魅力的なメリットがある一方で、築年数の経った建物ならではの注意点も存在します。
1.旧耐震基準の建物がある
2.共用部は古いままのことが多い
3.リノベーションなし物件よりも家賃が割高
ここでは、入居後のトラブルを避けるために知っておくべきデメリットを解説します。
1.旧耐震基準の建物がある
リノベーション賃貸の大きな注意点は、1981年以前に建築された旧耐震基準の建物が含まれていることです。
旧耐震基準は現行の新耐震基準と比べて耐震性能が低く、震度6以上の地震があると倒壊するリスクが高いとされています。
内装がどれほど美しく改装されていても、建物の構造躯体は変わらないため、地震に対する安全性は建築当時の基準に依存します。
物件を選ぶときは、建築年を必ず確認し、可能であれば耐震診断や耐震補強工事の実施有無を不動産会社に問い合わせることが重要です。
2.共用部は古いままのことが多い
リノベーション賃貸では、室内は最新の設備とデザインで整えられていても、共用部分は築年数相応の古さが残っているケースがほとんどです。
たとえば、エントランスや廊下、階段、外壁などは改修されていないため、外観から受ける印象と室内のギャップに驚く入居者も少なくありません。
とくに女性の一人暮らしでエントランスのオートロック機能がない物件は、防犯面でも不安が残ります。
内見時には室内だけでなく、建物全体の管理状態や修繕計画の有無も確認し、長期的な住み心地を想定して判断することが大切です。
3.リノベーションなし物件よりも家賃が割高
同じ築年数の物件と比較すると、リノベーション賃貸は改修費用が家賃に上乗せされているため、割高になる傾向があります。
デザイン性や設備の新しさを考えれば妥当な価格設定ですが、単純に家賃の安さだけを求める場合は、リフォーム済み物件のほうがコストパフォーマンスに優れている可能性もあります。
| 項目 | リフォーム | リノベーション | 
|---|---|---|
| 定義 | 老朽化した部分を元の状態に戻す改修 | 建物に新しい価値や機能を加える改修 | 
| 目的 | 劣化部分の修繕・原状回復 | 生活スタイルに合わせた再設計・再生 | 
| 範囲 | 部分的な補修・交換が中心 | 間取り変更や設備一新など大規模工事 | 
| 例 | 壁紙の張り替え・キッチン交換 | 1LDK→2LDKへの間取り変更・配管更新 | 
| イメージ | 「直す」工事 | 「生まれ変わらせる」工事 | 
自分が何を優先するのか、デザイン性と経済性のバランスをよく考えて物件を選ぶことが重要です。
予算と希望条件を明確にしたうえで、複数の選択肢を比較検討しましょう。
 
					リノベーション賃貸はやめたほうがいいと言われる理由

リノベーション賃貸には魅力がある一方で、以下の3つの理由から「やめたほうがいい」という声が上がることもあります。
1.雨漏れや床の傾きなどの修繕が必要な場合がある
2.もともと住んでいる入居者とのギャップがある
3.ゴキブリなどの害虫トラブルのリスクが高い
ここでは、入居後に後悔しないために知っておくべき3つの懸念点を解説します。
1.雨漏れや床の傾きなどの修繕が必要な場合がある
リノベーション賃貸では、見た目の美しさを重視するあまり、建物の構造的な問題が見過ごされているケースがあります。
たとえば、屋根や外壁、躯体の劣化が進んでいる場合、入居後に雨漏れや床の傾きといったトラブルが発覚することがあります。
とくに築古物件では、配管の劣化や躯体の腐食が進行していることも珍しくありません。
こうした不具合は通常、貸主の負担で修繕されますが、修繕期間中の生活は不便になってしまいます。
内見時には、天井のシミや床の軋み、壁のひび割れなど、構造に関わる兆候がないかを注意深く確認し、心配な点は契約前に不動産会社へ質問することが大切です。
2.もともと住んでいる入居者とのギャップがある
リノベーション賃貸の多くは、建物全体ではなく一部の部屋のみが改修されているケースが多く、同じ建物内でリノベーション済みの部屋と未改装の部屋が混在しています。
そのため、入居者間で住環境や家賃に大きな差が生じ、共用部分の使い方や生活スタイルにギャップを感じることがあります。
たとえば、リノベ済みの3階はファミリー世帯が多く住んでいる一方で、4階には高齢世帯の入居者が多く、生活音に対する感覚の違いからトラブルに発展するケースです。
内見時には契約する部屋だけではなく、その建物に住んでいる方の雰囲気やコミュニティについて把握しておくことが重要です。
3.ゴキブリなどの害虫トラブルのリスクが高い
築年数の経った建物では、配管周りや壁の隙間、床下など、害虫の侵入経路や発生源が多く存在しています。
室内をどれだけきれいにリノベーションしても、建物の構造自体は変わらないため、ゴキブリをはじめとする害虫が侵入することは避けられない場合があります。
内見時には、共用部分の清潔さやごみ捨てのルールなどを不動産会社に確認しておくと安心です。
また、入居時に害虫対策の燻煙剤(くんえんざい)を焚いたり、ゴキブリ食毒剤やダニ捕集マットを設置したりすることも有効です。
 
					リノベーション賃貸を選ぶときのコツ

リノベーション賃貸で失敗しないためには、見た目の美しさだけでなく、以下のポイントを見極めることが重要です。
1.配管など見えない部分のリフォーム履歴を確認する
2.ほかの部屋のリノベーション状況を聞く
3.築30年以内を目安にして物件を探す
4.いいなと思ったら早めに問い合わせる
ここからは、賢く物件を選ぶための4つの具体的なコツを紹介します。
1.配管など見えない部分のリフォーム履歴を確認する
リノベーション賃貸を選ぶときに最も重要なのが、配管や電気配線といった見えない部分の改修状況です。
内装が新しくても、給排水管や電気設備が古いままでは、水漏れや漏電といったトラブルが発生する可能性は高まります。
一方で、水回りの配管が更新済みであれば、長期入居でも安心して水を使えます。
不動産会社に対して、リフォーム時にどこまで手を入れたのか、設備更新の記録や年月を具体的に尋ねましょう。
リノベーション賃貸を契約するときには、住宅の基本性能がしっかり維持されているかを確認することが大切です。
2.ほかの部屋のリノベーション状況を聞く
自分が検討している部屋だけでなく、建物全体でどの程度リノベーションが進んでいるかを確認することも大切なポイントです。
1部屋のみが改装されている場合、共用廊下や階段、外観は築年数相応の古さが残っている可能性が高く、建物全体の管理状態も十分でないことがあります。
逆に、複数の部屋や共用部分も含めて計画的に改修されている建物であれば、オーナーや管理会社の意識が高く、長期間安心して暮らせる可能性が高いです。
内見時には不動産会社に他の部屋の改修状況や空室率、今後の修繕計画について質問してみましょう。
3.築30年以内を目安にして物件を探す
リノベーション賃貸を探すときは、築30年以内を一つの目安にすることをおすすめします。
築年数が30年を超えると、配管や電気設備、さらには躯体そのものの劣化が進行し、表面的なリノベーションだけではカバーしきれない問題が生じてきます。
一方で、築20年程度のリノベーション物件であれば、設備の耐用年数も比較的余裕があり、実用性とコストパフォーマンスを両立させやすい傾向にあります。
もちろん築30年以上でも、大規模修繕や構造補修がしっかり行われていれば問題ありませんが、その場合は修繕履歴を詳しく確認することが不可欠です。
築年数だけで判断せず、建物の管理状態と合わせて総合的に評価しましょう。
4.いいなと思ったら早めに問い合わせる
リノベーション賃貸は、デザイン性や間取りに個性があり、一点もの感が強い物件が多いため、人気エリアでは競争率が非常に高くなります。
とくに駅近や都心部の好立地物件、ペット可物件などは、掲載から1週間以内に成約するケースも珍しくありません。
気になる物件を見つけたら、すぐに内見予約を入れ、条件が合えば早めの決断を心がけることが重要です。
迷っている間に他の入居希望者に先を越されてしまうことも多いため、事前に自分の条件や予算を明確にしておき、スムーズに判断できる準備をしておきましょう。
 
					リノベーション賃貸が向いている人の特徴

リノベーション賃貸は、すべての人に最適な選択肢というわけではありません。
ここからは、リノベーション賃貸での暮らしがとくに向いている人の3つの特徴を紹介します。
1.デザインや個性を大事にしたい人
リノベーション賃貸は、インテリアや空間デザインにこだわりを持つ方や他人と被らない唯一の空間を求める方にとって最適な選択肢の一つと言えます。
無垢材のフローリングや造作家具、開放感のある間取りなど、一般的な賃貸物件に多い「量産型のデザイン」では実現できない、個性的な住空間を手に入れられるためです。
たとえば、クリエイターや在宅ワーカー、カップル層など、住環境が仕事や生活の質に直結する人たちから高い支持を集めています。
自分らしさを表現できる住まいで過ごす時間は、日常の満足度を大きく高めてくれます。
デザイン性を妥協したくない方にとって、リノベーション賃貸は理想的な住まいの形といえるでしょう。
2.コストパフォーマンスを重視したい人
リノベーション賃貸は、快適な住環境をできるだけ抑えた家賃で実現したい人にとって魅力的な選択肢と言えます。
内装や設備は新築同等の品質でありながら、築年数により価格が抑えられているため、コストのバランスが良い物件が多いためです。
たとえば、「限られた予算の中で質の高い生活を送りたい!」と考える若年層に、リノベーション賃貸はおすすめです。
また、浮いた家賃分をこだわりのインテリア代に充てるなど、生活の満足度に直結するものにお金を掛けられることもリノベーション賃貸の魅力と言えます。
3.駅近くの好立地な物件に住みたい人
通勤時間を短縮したい方や生活しやすい環境を最優先に求めている方は、リノベーション賃貸が理想的な選択肢となります。
新築物件では家賃の高さから手が届かない都心部や駅徒歩5分圏内の一等地でも、リノベーション賃貸なら比較的手頃な家賃で住むことが可能です。
毎日の通勤ストレスを減らし、限られた時間を有効に使いたいビジネスパーソンや、都心での生活を満喫したい方にとって、立地の良さは何物にも代えがたい価値があります。
住みたいエリアを諦めずに済むのが、リノベーション賃貸の大きな強みです。
家賃を抑えたい人はリノベーション賃貸がおすすめ!

リノベーション賃貸は、新築同等の快適さを低コストで実現できる、非常に賢い住まいの選択肢です。
一方で、築年数の古さからくるデメリットが存在するケースもあります。
物件選びでは、見えない部分の改修状況や建物全体の管理状態をしっかり確認することが重要です。
具体的には、築30年以内を目安にして物件探しをしてみましょう。
また、不動産会社に配管などの設備更新履歴を確認すれば、長期的に安心して暮らせる物件を見つけられます。

