「宅建試験は独学で合格できる?」
「試験科目ごとの勉強時間の配分は?」
「初心者レベルからどれくらい勉強したら合格できる?」
宅建試験は不動産業界で活躍するために重宝される国家資格です。2024年度(令和6年度)の合格率は18.6%であり、しっかり勉強しないと合格は難しい試験と言えます。一方で、予備校の費用を掛けずにできれば独学で勉強したいという方も多いでしょう。
そこで本記事では、宅建試験を独学で合格するために必要な勉強時間の目安や宅建試験科目ごとの時間配分を解説します。また、宅建試験を独学で勉強するときのコツやおすすめしない人の特徴を紹介するので、ぜひ最後までご覧ください。
参照:令和6年度宅地建物取引士資格試験結果の概要|一般財団法人不動産適正取引推進機構
目次
宅建試験は独学で合格できる?
宅建試験は独学でも十分に合格可能です。出題範囲が明確で、過去問を中心とした学習が効果的なため、市販のテキストや動画教材を使って戦略的に学べば、予備校なしでも十分対応できます。
たとえば筆者自身は、約3か月間、毎日スターバックスで4時間勉強を継続し、一発で合格しました。独学は自己管理がカギとなるため、継続力と計画性があれば合格は現実的です。
宅建試験に合格するための勉強時間の目安
宅建試験に合格するために必要とされる勉強時間は、一般的に300〜400時間とされています。これは、法律の初学者が基礎から学習し、過去問演習を繰り返すことを想定した時間です。
たとえば、平日は1日1~2時間、休日は3〜4時間確保すれば、半年ほどで達成可能です。逆に、短期間で集中して勉強したい人は、1日3〜5時間を目安に3か月で一発合格を狙うこともできます。
重要なのは、ただ時間を積み上げるのではなく、効率的なインプットとアウトプットを繰り返すことです。

宅建試験科目ごとの勉強時間の配分
ここでは、宅建試験の合格に必要な勉強時間を400時間と仮定したときに、科目ごとに必要な勉強時間の配分について紹介します。
1.権利関係は140時間
権利関係は主に民法を中心に構成されており、法的思考や判例理解が求められる難易度の高い分野です。宅建試験全体の14問程度を占め、得点のバラつきが出やすい部分でもあります。
そのため、基礎からじっくりと理解を深め、問題演習で応用力を養うことが重要です。初心者にとっては特に取っつきにくいため、学習初期から着手し、長期的に知識を定着させる必要があります。
インプットとアウトプットをバランスよく繰り返し、条文や判例の理解を深めておくと本番でも応用が利きます。
2.宅建業法は120時間
宅建業法は20問と出題数が最も多く、試験全体の得点源になる非常に重要な科目です。頻出パターンや計算問題、事例問題が多く、暗記中心の学習で高得点を狙えるのが特徴です。
また、条文の数字や制限、免許制度の内容などは繰り返し出題される傾向があるため、過去問演習を通じて「パターン慣れ」をしておくと有利になります。比較的短期間で仕上げやすく、学習効率が高いため、学習後半の得点強化にも最適な科目です。
独学でも点を伸ばしやすい分野なので、ここで確実に点を取ることが合格のカギとなります。
3.法令上の制限は80時間
法令上の制限では、都市計画法や建築基準法、農地法などの暗記系の知識が問われます。用語や数値、法的制限が多く登場するため、初見では混乱しやすい科目ですが、整理された学習と図解を活用することでスムーズに理解できます。
独学で取り組む際は、テキストだけでなく図表・イラストつきの参考書を使って視覚的に覚えるのがおすすめです。また、数値の丸暗記にとどまらず、どのような場面で適用されるのかを事例とともに理解すると、より実践的な得点力が身につきます。
過去問を繰り返すことで、出題傾向と重要ポイントも明確になります。
4.税その他・免除科目は60時間
この分野は、不動産に関する税金(登録免許税や不動産取得税など)、不動産登記法、公正証書、地価公示法などが含まれます。出題数は少なめ(全体で5問前後)ですが、得点しやすい箇所でもあるため、確実に押さえておきたい分野です。
暗記中心の内容が多く、直前期に集中して学習すれば得点源にできるのが特徴です。計算問題が出ることもあるため、事前にパターンを理解し、数回練習しておくと安心です。
また、科目ごとの重要度を意識しつつ、最後の総仕上げとして勉強時間を割り当てるのがおすすめです。
宅建試験を独学で勉強するときのコツ
宅建試験を独学で勉強するときのコツは以下の3つです。
1.最初から細かいところを理解しなくてよい
2.過去問を積極的に活用して「解き方」を覚える
3.動画や音声ならスキマ時間に勉強できる
それぞれ解説します。
1.最初から細かいところを理解しなくてよい
宅建試験では、いきなり細かい条文や例外事項に深入りする必要はありません。まずは全体の出題範囲や重要論点を把握し、大まかな知識の流れを掴むことが大切です。
完璧を目指すあまり立ち止まるよりも、まずは広く浅く学び、後から知識を補強する「スパイラル学習」が独学には効果的です。初心者ほど、最初は7割の理解で前に進む勇気を持ちましょう。
2.過去問を積極的に活用して「解き方」を覚える
宅建試験に合格するためには、インプットだけでなくアウトプット学習が不可欠です。特に過去問は、出題傾向や頻出テーマの宝庫と言えます。
単に暗記するだけでなく、「なぜこの選択肢が誤りか」「どのように出題されやすいか」といった視点で分析することで、得点力が一気に上がります。独学の場合は特に、過去問中心の勉強スタイルが合格への近道です。
3.動画や音声ならスキマ時間に勉強できる
仕事や家事でまとまった勉強時間が取れない社会人にとって、スキマ時間の活用は独学成功のカギです。YouTubeや音声教材を活用すれば、通勤中や就寝前など、手を動かせない時間でも知識をインプットできます。
特に法律系の用語は、耳から何度も聞くことで自然と定着しやすくなるため、時間効率を上げたい方には非常におすすめの方法です。また、法令上の制限は図表・イラストから視覚的に学ぶことで、脳内の定着率が上がるでしょう。
宅建試験で独学をおすすめしない人の特徴
宅建試験で独学をおすすめしない人の特徴は以下の3つです。
1.スケジュール管理が苦手
2.法律用語に強い抵抗がある
3.わからないことをすぐに質問したい
それぞれ解説します。
1.スケジュール管理が苦手
宅建試験を独学で乗り切るには、勉強の進捗を自分で管理しなければならないため、継続的な学習計画の実行が必須です。たとえば、「今日は疲れたから休もう」と甘えが出ると、すぐに予定が崩れがちです。
実際、スケジュールが乱れて勉強が滞り、不合格に終わった人は少なくありません。自己管理が苦手な人には、強制力のある予備校の利用がおすすめです。
2.法律用語に強い抵抗がある
宅建試験では、民法や宅建業法など法律系の科目が中心です。そのため、法律用語への理解が浅いと、学習のモチベーションが下がりやすくなります。
特に「所有権の移転」や「意思表示の瑕疵」など抽象的な表現に戸惑う方は要注意です。独学だと質問できる相手がいないため、解釈ミスのまま進むこともあります。法律に苦手意識がある方には、講義形式の教材や解説付きの講座が適しています。
3.わからないことをすぐに質問したい
独学では、わからないことがあっても即座に解決できるとは限りません。検索や再読で自己解決する力が求められます。
しかし、「誰かに聞かないと前に進めない」というタイプの方は、そこで立ち止まり、学習が止まってしまうことも多いです。実際、質問対応がない環境では不安が募り、学習が非効率になる傾向があります。常にフォローが欲しい人は、質問サポートのある通信講座が効果的です。

宅建の勉強時間に関するよくある質問
ここからは、宅建の勉強時間に関するよくある質問について回答していきます。
社会人が宅建の勉強時間を確保するコツはありますか?
社会人が限られた時間で宅建に合格するには、日常の「スキマ時間」を徹底活用するのがポイントです。たとえば、通勤中に音声講義を聞いたり、昼休みに1問だけでも過去問を解いたりする工夫が有効です。
実際、筆者も昼食後の15分で一問一答形式のテキスト学習を習慣化したことで、勉強時間を週5時間以上確保できました。忙しい社会人こそ「朝夜30分+日中15分」の積み重ねが合格への近道です。
宅建試験は最短どれくらいで合格できますか?
宅建は戦略的に取り組めば、3か月という短期間でも合格は狙えます。特に1日3〜4時間の集中学習を継続できる方であれば、効率的なインプットと過去問演習で得点力を伸ばすことが可能です。
実際、筆者は法律知識ゼロの状態から約3か月で合格しています。スタバを自習室代わりに毎日4時間学習しました。短期合格には「捨てる範囲の判断」や「理解より得点重視」の割り切りが鍵になります。
宅建試験で独学合格を狙うなら400時間を確保しよう!
宅建試験は独学でも合格が十分に狙える国家資格です。そのためには、400時間をひとつの目安に、効率的かつ継続的な学習を積み重ねることが大切です。
特にスケジュール管理や過去問活用、スキマ時間の有効活用など、戦略的な学習法を実践すれば、法律初学者でも短期合格は可能です。自己管理を徹底し、計画的に勉強すれば、あなたにも宅建合格の道は開かれています。