宅建の資格を取得しても就職できない理由とは?未経験でも転職を成功させる方法や取得後のキャリアを紹介

宅建の資格を取得しても就職できない理由とは?未経験でも転職を成功させる方法や取得後のキャリアを紹介

「宅建を取得しても就職できない、はホント?」

「宅建合格者は世の中に余りまくっている?」

「不動産業界未経験でも就職できる?」

 

令和6年度時点で、宅建士の登録番号は約121万人、実際に宅建業に従事している宅建士は約36万人です。つまり、登録者の約7割は異業種で働いているか、資格を活用していない状況にあります。この数字を見て宅建士の将来性を不安に思う方も多いでしょう。

 

そこで本記事では、宅建の資格を取得しても就職できないと言われる理由を解説したうえで、不動産業界未経験でも就職・転職を成功させる方法を紹介します。また、宅建取得後の就職以外のキャリアについても触れるので、ぜひ最後までご覧ください。

 

参照:令和5年度末宅建業者と宅地建物取引士の統計について|RETIO. NO.134 2024年夏号

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宅建の資格を取得しても就職できないと言われる理由

宅建の資格を取得しても就職できないと言われる理由は、宅建合格者が市場に多いこと以外にも3つ存在します。

 

1.本人が宅建を神格化しすぎているため

2.実務経験やステータスが不足しているため

3.資格よりもコミュニケーション能力や協調性が大事ため

 

それぞれ解説します。

1.本人が宅建を神格化しすぎているため

宅建は確かに価値ある国家資格ですが、資格だけで就職が保証されるわけではありません。「宅建があるから絶対に就職できる」と過信し、面接対策や自己分析を怠る人が意外に多いのが現実です

 

私も合格直後は宅建への自信が強すぎて、最初の面接で「資格を取った」という話ばかりして失敗した経験があります。企業は資格よりも「この人と一緒に働きたいか」「お客様に信頼してもらえるか」といった人間性や働く姿勢を重視します

 

宅建業法や民法の知識があっても、それを実際の業務で活かす意欲や適性がなければ意味がありません。資格は武器の一つであり、それを使いこなす人間力があってこそ就職につながることを理解しましょう。

2.実務経験やステータスが不足しているため

宅建資格を取得したからといって即戦力になるわけではなく、実務経験の不足が採用の壁となることがあります。とくに中途採用では「宅建+実務経験」が求められがちで、資格だけでは厳しい現実があります。

 

私の知人も宅建合格後の転職活動で「不動産営業の経験はありますか?」と必ず質問され、経験不足を痛感していました。不動産業界では顧客との信頼関係構築が重要で、営業・接客スキルが評価されやすいと言えます

 

ただし新卒や第二新卒はポテンシャル重視の採用が多いため、未経験でも十分にチャンスがあります。中途の場合は宅建以外のスキルや経験をどうアピールするかが鍵です。

3.資格よりもコミュニケーション能力や協調性が大事ため

宅建士の仕事は顧客対応やチーム連携が中心で、コミュニケーション能力や協調性が何より重要視されます。重要事項説明や契約手続きでは、複雑な内容を分かりやすく伝える説明力が求められます。

 

私も実際に働いてみて、法律知識よりも「お客様に安心してもらえるか」が最も大切だと実感しました。面接では資格の話よりも「どんな人柄か」「チームで協力できるか」を見られるケースが多く、人間力の方が重視されがちです。

 

宅建の知識は基礎として必要ですが、それを活かすためのコミュニケーション力、相手の立場に立って考える思いやり、チームワークを大切にする姿勢こそが就職成功の決め手となります。

不動産業界未経験でも就職・転職を成功させる方法

不動産業界未経験でも就職・転職を成功させるためには、こちらのポイントを押さえておきましょう。

 

1.採用担当者の立場になって考える

2.宅建士「必須」「歓迎」の求人に応募する

3.転職エージェントを活用する

 

それぞれの理由を解説します。

1.採用担当者の立場になって考える

就職・転職を成功させるには、採用担当者の視点で「なぜこの人を採用すべきか」を具体的に示すことが重要です。宅建資格は確かにプラスですが、それに加えて営業適性や学習意欲、業界への関心を具体的にアピールしましょう

 

私が面接で成功した時は「宅建の勉強を通じて不動産業界の面白さを知り、お客様の人生最大の買い物をサポートしたい」と熱意を伝えました。単に「資格を取った」ではなく「なぜこの業界を選んだのか」「どんな貢献ができるのか」のストーリーが重要です

 

採用担当者は「この人なら活躍してくれそう」と思えるかどうかで判断するため、資格を取得した理由や将来のビジョンを明確に語れるよう準備しましょう。

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2.宅建士「必須」「歓迎」の求人に応募する

効率的な就職活動のコツは、宅建資格を明確に評価してくれる求人に集中することです。「宅建士必須」「宅建士歓迎」と記載のある求人は、そもそもライバルが資格保有者に絞られるため、採用確率が格段に上がります

 

私も最初は幅広く応募していましたが、宅建必須の求人に絞ってからは書類通過率が大幅に改善しました。とくに管理業務や売買仲介の分野では、法的知識が必要な業務が多く、資格保有者を積極的に採用する傾向があります。求人サイトで「宅建」をキーワードに検索し、資格を活かせる職場を効率的に見つけることで、無駄な応募を減らし成功確率を高められます。

3.転職エージェントを活用する

不動産業界に強い転職エージェントを活用することで、個人では見つけられない優良求人に出会えます。エージェントは非公開求人も多数保有しており、宅建資格を活かせるポジションを紹介してもらえる可能性が高まることが大きなメリットです。

 

私もエージェントを通じて紹介された会社に入社し、宅建手当や研修制度が充実した環境で働けています。また、履歴書添削や面接対策では「宅建をどうアピールするか」の具体的なアドバイスを受けられます。

 

業界の内情に詳しいエージェントなら、企業が求める人材像も教えてくれるため、効果的な自己PR方法が分かります。一人で転職活動を進めるよりも、プロの力を借りることで成功確率が大幅に向上します。

宅建取得後の就職以外のキャリア

宅建試験に合格した後に、不動産業者に就職する以外にもキャリアの選択肢は存在します。

 

1.宅建講師として勤務する

2.宅建コラムライターとして活動する

3.不動産業者を立ち上げて経営者になる

4.ダブルライセンスを取得して異業種に転職する

 

それぞれのメリットや仕事内容について解説します。

1.宅建講師として勤務する

宅建の知識と合格経験を活かして、予備校や資格スクールで講師として働く道もあります。指導力や分かりやすい説明のスキル、そして自身の合格実績が武器となります。

 

私の知人も宅建合格後に講師の道を選び、多くの受験生をサポートしています。講師業は単に知識を教えるだけでなく、受験生のモチベーション維持や学習相談にも対応するため、やりがいの大きい仕事です

 

最近はオンライン講座も増えており、時間や場所の制約も少なくなっています。教育業界への転職を考えている方や、人に教えることが好きな方には最適なキャリアの選択肢です。

2.宅建コラムライターとして活動する

宅建の専門知識を活かしてウェブメディアやブログで記事を執筆し、副業や独立につなげるライターという道もあります。不動産関連の情報サイトでは、宅建有資格者による信頼性の高いコンテンツが求められています

 

私も実際に宅建関連の記事執筆を経験し、資格の知識が直接的に収入につながることを実感しました。住宅購入のポイントや法改正の解説など、専門的でありながら一般の方にも分かりやすい記事が重宝されます。

 

在宅で働けるため、本業と両立しやすいのも魅力です。ライティングスキルを磨けば、不動産以外の分野にも応用でき、キャリアの幅が大きく広がります。文章を書くことが好きな方には、非常に有望な選択肢です。

3.不動産業者を立ち上げて経営者になる

宅建士資格があれば自ら不動産事務所を設立し、独立・起業という道も開けます。開業には資金や経営ノウハウが必要ですが、宅建士という必須資格を持っていることで、スタートラインに立つことができます

 

私の先輩も大手不動産会社で経験を積んだ後、地元で不動産事業を立ち上げ成功しています。とくに地域密着型の賃貸管理や売買仲介は、従業員が社長一人+αほどのマイクロ法人でも十分に成り立つビジネスです。

 

また、経営者として働くことで、サラリーマンでは得られない大きな収入と自由な働き方を手に入れる可能性があります。起業精神旺盛な方には、宅建資格は独立への強力な武器となるでしょう。

4.ダブルライセンスを取得して異業種に転職する

宅建と他の資格を組み合わせることで、専門性が高まりキャリアの選択肢が大幅に広がります。「宅建+FP」の組み合わせでは住宅ローンや不動産投資のアドバイザーとして金融業界で活躍できます。

 

また、「宅建+行政書士」なら不動産法務の専門家として独立も可能です。私の先輩もこの戦略で異業種転職に成功しています。そのほかにも、マンション管理士や土地家屋調査士など、不動産関連の資格と組み合わせれば、より専門的なサービスを提供できます。

 

複数資格を持つことで「○○の専門家」としてのブランディングができ、転職市場での価値が格段に向上します。一つの資格で満足せず、関連資格の取得を続けることで、長期的なキャリア形成に大きなメリットをもたらします。

宅建士の将来性は明るい?

結論から申し上げると、宅建士の将来性は非常に明るいと言えます。不動産取引には法律により宅建士の関与が必須で、この制度がある限り安定した需要が期待できます

 

AI化やIT化が進む現代でも、重要事項説明などの独占業務は人間が行う必要があり、技術革新の影響を受けにくい職種です。また、活躍の場は不動産業界だけでなく、金融機関での不動産担保融資、建設会社での用地取得、一般企業での不動産管理など多岐にわたります。

 

高齢化社会の進展により相続関連の不動産取引も増加しており、専門知識を持つ宅建士の価値はさらに高まるでしょう。長期的に見ても就職・転職市場で評価され続ける資格です。

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宅建は依然として就職・転職で有利に働く!

宅建は「資格だけで就職が保証される魔法の切符」ではありませんが、依然として就職・転職で大きな武器となる価値ある資格です。重要なのは資格に頼りすぎず、実務経験やコミュニケーション力と組み合わせて総合的な市場価値を高めることです

 

私の経験からも、「宅建+人間力」の組み合わせがあれば、業界未経験でも十分に活躍できます。また、就職以外にも講師、ライター、起業、ダブルライセンスなど多様なキャリアの道が開けており、取得する価値は計り知れません。

 

将来性も明るく、長期的なキャリア形成においても有効な投資となるはずです。正しい戦略を持って臨めば、宅建は必ずあなたの強い味方になってくれるでしょう。

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