「自宅の壁が日焼けで色あせている!」
「経年劣化で自宅の壁に大きなヒビが入っている!」
「リフォーム費用を抑えられるサイディング材の種類を教えてほしい!」
このような外壁の劣化は雨漏りや室内の乾燥の原因となります。築20年から30年以上経過している住宅の外壁は特に注意が必要です。
今回は、サイディング外壁にリフォームするメリット・デメリット、リフォームの種類や費用について解説します。サイディング外壁の上張り工事がおすすめの理由についても紹介していきますので、ぜひ最後までご覧ください。
目次
サイディング外壁にリフォームするメリット・デメリット
サイディング外壁にリフォームするメリット・デメリットは以下の通りです。
メリット | 1.建物の耐用年数が伸びる
2.激しい経年劣化の後でも修理できる 3.豊富な種類の中から好みの素材やデザインが選べる 4.工期は1週間程度と短い |
デメリット | 1.外壁塗装に比べて高額になる場合が一般的
2.10年に一度は塗装によるメンテナンスが必要 |
住宅の外壁をサイディングにリフォームすることで、建物の耐用年数は大きく伸びます。経年劣化による外壁のヒビやシーリングの割れは雨漏りの原因となり、やがて躯体まで侵食していきます。
10年から40年程度の期間で定期的にメンテナンスをすることで、住宅の外観を美しく維持しつつ、長く住める住宅づくりにつながります。
一方で、短期的にみると外壁にサイディング材を取り付ける工事は、外壁塗装に比べて高くなる傾向があります。

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サイディングの種類ごとの寿命、メンテナンス方法、費用
サイディング材には、窯業系(ようぎょうけい)サイディング、金属系サイディング、木質系サイディング、樹脂系サイディングの4つの種類があります。素材の種類ごとに耐久性や強度、メンテナンスの方法やリフォーム費用についても異なります。
サイディング材の種類 |
寿命 | メンテナンス周期 | 耐久性 |
費用 |
窯業系サイディング |
20年から40年程度 | 10年に一度 | 高い | 5,000~7,500円/㎡程度 |
金属系サイディング |
30年から50年程度 | 10年から15年に一度 | 高い | 6,000~10,000円/㎡程度 |
木質系サイディング |
15年から30年程度 | 3年から10年に一度 | 普通 | 7,000~15,000円/㎡程度 |
樹脂系サイディング |
20年から50年程度 | 20年程度ほぼ不要 | 高い | 8,000~10,000円/㎡程度 |
ここからは、それぞれのサイディング材ごとに特徴や寿命、メンテナンス方法について詳しく解説していきます。
【窯業系サイディング】豊富な種類で価格もお手頃
窯業系(ようぎょうけい)サイディングを一言で表すと豊富なバリエーションとお手頃な価格で、第一に考えるべき選択肢!
窯業系サイディングの特徴
窯業系(ようぎょうけい)サイディングとは、日本で最も普及率の高いサイディングです。サイディング外壁の住宅の約70%が窯業系のサイディングを採用しています。
そのため、さまざまなデザインや色合いの商品があり、建物の外観を自分好みにアレンジできます。また、窯業系サイディングの最大の特徴は、陶器やセラミックのような吸水性や耐久性に優れた素材です。
風雨や紫外線などの自然の要素に強く対応でき、耐火性や防音性にも優れているため、四季のある日本においても快適な居住空間を保つことができます。
窯業系サイディングの寿命とメンテナンス方法
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの寿命は、20年から40年程度と考えられています。
一方で、7年から15年程度でサイディング表面の塗装が剥げてきたり、シーリング(コーキング)が割れてきたりと経年劣化が見られます。
そのため、10年に一度程度の頻度でサイディング材表面の塗装を行い、5年から8年に一度の頻度でシーリング補修のメンテナンスをすることをおすすめします。
また、窯業系サイディングの寿命を延ばしたい場合は、半年から1年に一度の頻度で高圧洗浄機などで水洗いがおすすめです。
窯業系サイディングの費用
窯業系(ようぎょうけい)サイディングの費用相場は、5,000~7,500円/㎡程度です。一般的に、サイディングを素材ごとで見た場合は、最も安い選択肢となります。
一方で、タイル系やタイル系、石積み系などデザインが豊富であるため、材料の費用の幅も大きくなるのが特徴です。
たとえば、30坪の戸建て住宅の外壁を窯業系サイディングに張り替えリフォームした場合、既存の外壁の解体費用や足場設置費用込みで160万円から240万円程度が費用相場になります。
【金属系サイディング】リフォームで一番人気
金属系サイディングを一言で表すと、重ね張り(カバー工法)でリフォーム費用を抑えたいなら最良の選択肢!
金属系サイディングの特徴
金属系サイディングは、アルミニウムやスチールなどの金属素材で作られた外壁材です。近年は、スチールの上から亜鉛やフッ素などの塗材でメッキ加工したガルバリウム鋼板が一般的です。
優れた耐久性と強度を持ち、激しい雨風や紫外線による劣化や腐食にも耐えることができます。また、金属は非常に高い防火性を持っています。
とくに、木造住宅の場合は躯体部分にまで火が燃え広がって、建物の倒壊や消失のリスクを低減させることが可能です。
金属系サイディングの寿命とメンテナンス方法
金属系サイディングの寿命は、30年から50年程度と考えられています。窯業系サイディングや木質系サイディングに比べて、耐用年数とメンテナンスの周期が長いのが特徴です。
一方で、10年から15年に一度程度の頻度でサイディング材表面の塗装、5年から8年に一度の頻度でシーリング補修をするといったメンテナンスは必要です。
金属系サイディングの費用
金属系サイディングの費用相場は、6,000~10,000円/㎡程度です。窯業系サイディングの素材費用と比べると少し値が上がりますが、金属サイディングは重ね張り(カバー工法)ができるため、リフォーム費用は全体的に安くなる場合があります。
【木質系サイディング】木目の温かさを感じる高級品
木質系サイディングを一言で表すと、木材特有の温かみと機能性を備えた高級品!
木質系サイディングの特徴
木質系サイディングは、天然の木材を主な原料とした外壁材です。木材ならではの自然な風合いや温かみを持ち、建物に独自の個性を与えることができます。
また、木材には吸湿性や調湿性があるため、木質系サイディングは室内の湿度調節に役立ちます。さらに、断熱性に優れており、冷暖房効果を高めることができます。
一方で、木質系サイディングは耐火性、耐久性には限界があるため、適切なメンテナンスが必要です。定期的な塗装や防腐処理、虫害の予防といったデメリットを考慮した上で、温かみのある外観にこだわりを持っている方におすすめの外壁材です。
木質系サイディングの寿命とメンテナンス方法
木質系サイディングの寿命は、15年から30年程度と考えられています。そのため、窯業系サイディングや金属系サイディング、樹脂系サイディングに比べると耐用年数は短いです。
また、木材ならではのメンテナンスである防腐処理、虫害の予防が10年に一度以上の頻度で必要になります。
さらに、建物の立地や方角によって日焼けによる劣化が速くなる部分と遅くなる部分に分かれてくるため、こちらも10年に一度程度の頻度で木材の一部を張り替える工事をするのがおすすめです。
木質系サイディングの費用
木質系サイディングの費用相場は、7,000~15,000円/㎡程度です。天然の木材を使用するため、原材料の価格に大きく左右されます。
たとえば、2023年のウッドショックでは、輸入木材の価格は通常時の2倍から3倍、国内材でも2倍程度の価格上昇が見られました。また、窯業系サイディングや金属系サイディングに比べて施工可能な業者数も少ないため、工事費用が高くなる傾向があります。
たとえば、30坪の戸建て住宅の外壁を木質系サイディングに張り替えリフォームした場合、既存の外壁の解体費用や足場設置費用込みで200万円から270万円程度が費用相場になります。
【樹脂系サイディング】北米で誇る高いシェア率
画像引用:旭トステム「キレイが続く樹脂の外壁」
樹脂系サイディングを一言で表すと、メンテナンスがほぼ不要でコスパを重視した選択肢!
樹脂系サイディングの特徴
樹脂系サイディングは、合成樹脂(プラスチック)を主成分とした外壁材です。カナダでは住宅の約60%、アメリカでは約40%が樹脂系サイディングを採用しています。
防カビ性や防腐性があり、長期間にわたり耐久性が高く維持できる点とメンテナンスが容易である点から高い人気があります。日本での取扱いはまだまだ少ないですが、今後増えていくことが期待されている外壁材です。
樹脂系サイディングの寿命とメンテナンス方法
樹脂系サイディングの寿命は、20年から50年程度であると考えられています。窯業系サイディングや金属系サイディングと同様に耐用年数が長い外壁材です。
一方で、他のサイディングと違いシーリング(コーキング)によって隙間(ジョイント)を埋める必要がないため、定期的なメンテナンスがいらない点が最大のメリットです。
樹脂系サイディングの費用
樹脂系サイディングの費用相場は、8,000~10,000円/㎡程度です。材料費は金属系サイディングに近い相場となっています。
一方で、日本においては取扱い業者数が少ないため施工費用が高額になる場合もあります。
たとえば、30坪の戸建て住宅の外壁を樹脂系サイディングに張り替えリフォームした場合、既存の外壁の解体費用や足場設置費用込みで200万円から270万円程度が費用相場になります。
サイディング外壁のリフォーム工事は3種類ある
リフォーム前の外壁の状態やリフォーム後にどのような外観に仕上げたいかによって、工事の種類を選択することができます。
工事ごとにメリットや費用は大きく異なりますので、ここからそれぞれ詳しく解説していきます。
サイディングの張り替え工事の特徴、メリット、費用
サイディングの張り替え工事は、既存のサイディングを取り外したあとに新しいサイディングを取り付けるリフォームです。
建物の外壁を一新することができるため、築20年以上がたって劣化や傷みが著しい場合は特に効果的です。また、張り替えることによって外壁の保護や耐久性の向上につながります。
なお、この工事では既存のサイディングの取り外しや廃棄物の処理といった工程が必要です。そのため、サイディングの重ね張り(カバー工法)工事に比べてやや費用相場は上がります。
たとえば、30坪の戸建て住宅のリフォーム費用は、130万円から250万円程度が相場となります。内訳は以下の通りです。
費用項目 |
相場 |
サイディング材代 | 50万円~110万円程度 |
足場設置費用 | 10万円~20万円程度 |
廃棄物処理費用 | 20万円~30万円程度 |
施工費用 | 50万円~90万円程度 |
合計 | 130万円~250万円程度 |
サイディングを重ね張りする(カバー工法)工事の特徴、メリット、費用
サイディングを重ね張りする(カバー工法)工事は、既存のサイディングの上に新しいサイディングを取り付けるリフォームです。
この工法は、建物の外壁を取り外す必要がないため、工期や解体費用を削減することができます。また、建物内部の生活や業務に与える影響が少ないのもメリットです。
たとえば、30坪の戸建て住宅のリフォームの工期は3週間程度です。費用は、110万円から200万円程度が相場となります。内訳は以下の通りです。
費用項目 |
相場 |
サイディング材代 | 50万円~110万円程度 |
足場設置費用 | 10万円~20万円程度 |
施工費用 | 50万円~70万円程度 |
合計 | 110万円~200万円程度 |
サイディングの塗り替え工事の特徴、メリット、費用
サイディングの塗り替え工事は、既存のサイディングに新しい塗装を施すリフォームです。塗料には耐候性や防水性があり、外壁のサイディング材を保護する役割があります。
10年に一度程度のメンテナンス作業として塗り替えを行うことで、外壁の劣化や傷みを修復して耐久性を向上させることができます。また、塗料の種類や塗り方によって耐候性や保護性にはレベルがあり、費用相場も大きく変わります。
しかし、サイディングの張り替え工事や重ね張り(カバー工法)工事に比べるとリフォームに必要な費用は安いです。たとえば、30坪の戸建て住宅のリフォームの塗装費用は、60万円から130万円程度が相場となります。内訳は以下の通りです。
費用項目 |
相場 |
塗料代 | 20万円~50万円程度 |
足場設置費用 | 10万円~20万円程度 |
施工費用 | 30万円~60万円程度 |
合計 | 60万円~130万円程度 |
サイディング外壁のリフォーム費用を抑えるポイント
サイディング外壁のリフォーム工事を行うときに、費用を抑えるためのポイントはこちらです。
1.地元密着型の工務店に依頼する
2.下請けではなく元受けの業者に依頼する
3.複数のサイディング施工業者に相見積もりをする
これらのポイントを抑えることで、リフォーム費用を抑えられるだけでなく、施工内容やアフターフォローの質も高い業者に依頼できる可能性が高まります。
地元密着型の工務店に依頼する
サイディング外壁のリフォーム費用を抑えるためには、地元密着型の工務店に依頼することが重要です。
地元の工務店は、地域の建築事情や価格帯に精通しているため、丁寧な相談や見積もり、工事費用の提案が期待できます。
また、基本的には自社施工を行うため、中間業者の手数料や交通費、余計な経費が発生することがありません。その結果、全体のリフォーム費用を抑えることができます。
下請けではなく元受けの業者に依頼する
リフォーム費用を抑えるためには、下請けではなく元受けの業者に直接依頼することが重要です。
下請け業者を介する場合、請け負った業者からさらに仕事を委託されるため、手数料やマージンが追加された見積書を渡される可能性があります。
特に、大手業者はその傾向が高くなるため注意が必要です。また、元受け業者はリフォームの品質管理にも直接責任を持っているため、費用を抑えながらも品質の高いリフォームを受けることができます。
複数のサイディング施工業者に相見積もりをする
相見積もりを行って業者の選定をすることで、リフォーム費用を抑えることができます。
外壁工事を行う業者の中には、サイディングの取扱いがない塗装業者や窯業系サイディングのみ取り扱っている業者など様々です。
そこで、複数のプランや提案を比較することで工事内容と費用のバランスを考えることができます。また、相見積もりを行っていることを見積もりを依頼している業者に伝えることで、業者間で競争意識が生まれ見積内容に反映される場合があります。
外壁リフォームは大きな金額が動くため、相見積もりによって後悔のない選択を自分で選ぶことをおすすめします。
用途やデザインに合ったサイディング材、工法を選択しよう!
外壁をサイディングにすることで、以下のようなメリットがあります。
1.建物の耐用年数が伸びる
2.激しい経年劣化の後でも修理できる
3.豊富な種類の中から好みの素材やデザインが選べる
4.工期は1週間程度と短い
一方で、10年に一度程度の塗装や5年から8年に一度程度のシーリング(コーキング)補修といったメンテナンスが必要になる場合があります。サイディングの中には、日本で最も一般的な窯業系サイディングのほかにも金属系サイディングや木質系サイディングといった機能性とデザイン性に優れた外壁材があります。
「極力メンテナンスの手間を減らしたい…」と考えている方には、樹脂系サイディングも視野に入れて検討するのがおすすめです。
また、サイディングを重ね張りする(カバー工法)工事なら、張り替え工事に比べて安く仕上げることができます。あなたも早速、地元の業者に見積もり依頼をしてみましょう。
